企業看護師の仕事「有害物・有害要因対策」

有害物・有害要因対策

企業看護師は従業員の健康を管理し、その維持を図るのがもっとも重要な役目です。その仕事は大きく3種類に分けることができるでしょう。

 

⇒ひとつは健康管理。健康診断がしっかり行われるようサポートし、その結果の管理・分析を通して保健指導や健康教育などを行う仕事。もっとも基本的な仕事といってもよいでしょう。

 

⇒もうひとつは現場で直接従業員と接する仕事。たとえば従業員がケガや病気になった際に応急手当を施したり、病院への搬送が必要かどうか判断する。あるいはとくに近年ニーズが高まっているカウンセリングなどを通してのメンタルヘルスに携わる仕事もこのうちに入ります。

 

⇒そして3つ目が従業員の健康を損ねる要因が職場、作業環境に潜んでいないかどうかをチェックする仕事。いくら従業員ひとりひとりが健康に留意していても、企業看護師が保健指導を行っていても、作業環境に問題がある場合には効果は十分に得られません。職場の環境に問題がないかどうか、従業員に害をもたらす有害物、有害要因をチェックし、もしあるならその対策を行うことも企業看護師の重要な役割なのです。

従業員にとっての有害物・有害要因とは?

じつはさまざまな範囲に及んでいます。もっともわかりやすいのが作業環境、つまり労働時間や休憩時間、作業場の衛生環境の問題。超過勤務で体を壊しかねない環境かどうか、休憩がしっかりとれているかどうか、さらには不衛生な環境で病気の原因になっているようなことはないかなどをチェックします。もし問題がある場合には作業環境の改善を企業に提案することもあります。

 

それから有害な化学物質が使用されていないかどうか。作業に使用する化学物質のためにガンなどの病気にかかってしまう事故が世間をにぎわすことがあります。この問題は素人ではわかりにくく、専門家の視点でチェックする必要があります。

 

こうした有害物・有害要因対策をどれだけしっかりできるかどうかで従業員の環境が決まる面もあります。それだけに企業看護師の重要な役割となるわけです。