企業看護師の仕事「労働衛生教育」

企業看護師の仕事「労働衛生教育」

企業看護師では従業員が労働災害などに巻きこまれないよう職場の環境の改善をはかることも重要な役割となっています。健康診断やメンタルヘルスで病気の予防・対策を行うだけでなく、その原因となる要素を職場からできるだけ排除することも求められているわけです。その役割の核となるのが労働衛生教育です。

 

これは労働安全衛生法に定められているもので、従業員に対する安全・衛生教育をしっかり行うことが事業者には求められているのです。とくに作業場の環境や労働規則が変更された場合には必ず行うことが義務付けられています。形ばかりで済まさず、しっかりと従業員全員に徹底させるためには専門家の力も必要です。そんな時に企業看護師の知識・スキルが大きく役立つわけです。

 

労働衛生教育ではどんなことがテーマになるのか

■健康に害をもたらすような環境に対する有害物、有害業務に関する知識の提供
たとえば粉塵。粉塵を吸い込むことによって肺ガンなどの病気のリスクが高まることが知られています。この手のニュースが世間をにぎわすケースもよく見られるものです。こうした問題を抱えることがないよう、相応しい作業環境を周知させることが主な目的となります。

■騒音の健康への影響
工場での作業ではある程度避けられないものですが、それが従業員の健康を損ねる可能性があります。騒音が厄介なのは本人が気づかないままジワジワと健康を害していくケースが多い上、慣れてしまい点。具体的な騒音の基準はもちろん、騒音がもたらす自覚症状などに対する知識を提供するのも重要な役割です。

■季節ごとの衛生環境の維持
とくに温度と湿度について。衛生面で問題のある環境で働くことで喘息などの病気の原因となってしまうことも。衛生環境は夏場の温度、冬場の湿度など季節によって変化するため、つねに快適かつ安全・衛生的な環境を維持するための知識が求められます。

このように、労働衛生教育は従業員の根本的な健康対策に欠かせないもの。それだけに企業看護師の果たす役割も大きなものとなります。