企業看護師の仕事「健康に関する啓蒙活動」

企業看護師の仕事「健康に関する啓蒙活動」

企業看護師の仕事の中ではあまり知られていない部類に属するものに健康に関する啓蒙活動やイベントの企画が挙げられます。高齢化社会の進行もあり、医療費の増大が大きな問題となっています。その一方では糖尿病をはじめとした生活習慣病の患者が増加しています。糖尿病などは予備軍も含めれば1800万人にも及ぶといわれるほど。そうした状況をできるだけ改善し、国民ひとりひとりが健康的な生活を送るための啓蒙活動、イベントが活発に行われるようになっているのです。

 

これは国の取り組みだけではありません。企業でもこうした活動を積極的に行うようになっています。とくに近年では従業員の心の病が大きな問題となっています。従業員1人がうつ病やパニック障害になった場合、そのコストは他の従業員3人分にも及ぶといわれています。そのため、企業に雇われる看護師が社内を対象に啓蒙活動やイベントを実施するケースも増えているのです。

 

どのような活動やイベントの企画を行うのか

もっとも一般的なのが講座でしょう。社内を対象に健康をテーマにした講座を開催し、啓蒙活動を行うのです。

 

喫煙や飲酒といった生活習慣に関わるものから、ストレスの解消法や精神状態のコントロール方法など、幅広い分野に及びます。もちろん、ただ開催すればよいのではなく、従業員の健康状態を把握し、もっともリスクが高そうなテーマを選んで行う必要があります。

 

あるいは企業が地域住民を対象にしたイベントを実施するケースもあります。特定の病気を対象に理解を深めるための啓蒙活動が代表的なケースです。とくに近年見かけるのが乳がんの啓蒙活動。ここでも講座や説明会が行われたり、募金活動が行われます。

 

他には健康食品を扱っている企業なら自社製品とリンクした啓蒙活動やイベントが実施される場合もあります。その企画段階で看護師の専門知識が求められることも。地味ながら間接的に人々の健康に役立つ非常に重要な役割なのです。