企業看護師の求人倍率
一般企業の医務室や健康管理室で働く企業看護師の求人募集倍率ですが、看護系の求人の中でも求人倍率の高さはトップクラスになります。しかし、その理由としては、企業看護師を希望する人数が看護師のうちのかなりの割合を占めているからというわけではありません。
企業看護師の求人倍率が高くなるのは求人募集が少ないのがもっとも大きな要因です。結果として、一つの求人募集に数人が集中するために求人倍率が高くなっているのです。
非常勤職員の割合が多いのも1つの要因
もう一つ注意しておきたい点としては、企業看護師の正規職員の割合です。企業看護師を配置している企業のうち、正規雇用の求人募集はおよそ75%程度になります。つまり、ただでさえ少ない業種なのにもかかわらず25%前後の企業が非常勤職員で済ませているという現状があり、求人の少なさにも影響しているのです。
今後は企業看護師の役割も増え、企業側も設置の検討をするところが増えてくると予想されますが、それでも設置する企業数が充実し、希望している看護師が簡単に就職できるようになるまでにはもう少し時間がかかりそうです。
病院以外の転職先としての人気
ここで、看護職全体の求人倍率を確認しておきたいのですが、看護資格者の求人自体は非常にたくさんあります。厚生労働省が出す有効求人倍率調査で「保健師、助産師、看護師」の分野は平均で3倍となっています。つまり、「保健師、助産師、看護師」の数自体は圧倒的に足りていない状況です。
にもかかわらず企業看護師に限っては求人倍率が高まっているのは、病院勤務にはない「働きやすさ」や「収入面の充実」といった魅力が多い職種だからです。
激務や不規則な勤務形態に限界を感じ、「病院以外へ転職したい!」と考える看護師さんの転職先として人気が高い企業看護師。求人倍率の高い職種ではありますが、企業看護師として活躍したいと望むのであれば、高い倍率でも勝ち残るくらいの気持ちで挑む方が、入職してからも原動力になるのかもしれません。