企業看護師が携わる「産業保健活動5管理」

企業看護師が携わる「産業保健活動5管理」

企業看護師は企業に勤務する看護師として、医療機関とはまた異なった役割が責任を求められることになります。新たに企業看護師になろうと思った場合には求人情報だけでなく、どんなことが求められるのかについても情報収集をしておきたいところです。

 

そんな企業看護師が携わる業務は大きく分けて5つに分けることができます。これを「産業保健活動5管理」と呼ぶ場合もあります。ではこの5種類の管理とはどのようなものなのでしょうか。

■作業環境管理
企業で働く従業員は本人の健康管理だけでなく、労働環境によって健康を害してしまう可能性もあります。不適切な作業環境をチェックし、必要ならば改善策の提案なども行います。労働時間はもちろん、作業場の温度や湿度、さらに衛生環境など幅広い範囲に渡って管理することが求められます。

■作業管理
こちらは実際に作業する時間や休憩時間が適切かどうかを判断するものです。残業の有無や休憩時間を無視した労働が知られていないか、面接などを通して確認していきます。

■健康管理
企業看護師におけるもっとも基本的な業務といえるでしょう。従業員の健康診断や健康指導を通して心身ともに健康的な環境を維持するように努める仕事です。

■総括管理
総括管理は企業全体が従業員にとって働きやすい環境なのかどうかをチェックする役割。各部署の連携役を担う他、衛生委員会に加わり、より重い責任のもとで業務をすること。

■労働衛生教育
文字通り従業員の健康指導・教育を行います。とくに重視されているのがメンタルヘルス対策。カウンセリングなどを通し、心身ともに健康な生活を送れるようアドバイスを行います。そのほか、定期的に健康に関する講座などを開催し、ひとりひとりが自覚を持って健康的な生活を送るよう心がけるための啓発も行います。

こうした管理作業を通して企業看護師は仕事を行っていくことになるのです。勤務先によって比重が異なってきますが、多かれ少なかれ必ずもとめられる業務といえます。